札の辻スクエア
「札の辻スクエア」大型公共施設建築における取り組み
2022年4月1日、札の辻スクエア(芝五丁目複合施設)が東京都港区芝5丁目にオープンしました。札の辻スクエアは、区の「産業」と「学び」を支える新たな拠点となる施設で、高層階に港区立産業振興センターの他、中階層に港区立三田図書館、低階層に民間連携床等からなり、多くの人に親しまれることが期待される複合施設です。
【今回の現場のポイント】
敷地が札の辻交差点に接しており、平日は交通量が多く、搬入ゲートが一か所しか設けられない状況で、日々の搬出入車両による事故防止に細心の注意を払いました。
今回の柱梁の構造はPCa※1で、各部材は大きく重量があり、揚重機計画が重要なポイントとなり何度も再考しました。仮設部材やPC※2鋼棒等の仕込み取付は揚重機が稼働できる建物内でしか作業が出来ず、搬入車両を調整しつつ行いました。また、敷地に余裕がなく、複合梁(PCa+鉄骨長さ18.6m、重量28トン)を組み立てるスペースも唯一工程を調整できる歩行者専用デッキの設置場所を利用するなど、スムーズな作業環境を整える検討が責務でした。
※1 PCa(プレキャスト コンクリート):あらかじめ工場で制作したコンクリート部材で、現場で型枠を組み施工した場合より高品質・高耐久です。工場で部材を制作するため、現場での作業は短期間となり周辺の環境にやさしい工法です。
※2 PC(プレストレスト コンクリート):PC鋼材を緊張し、圧縮力を加えたコンクリートで、PCの技術を用いることによって、コンクリートの最大の弱点(圧縮には強いが引張には弱い。)を克服することができます。橋梁や高速道路など高い安全性が求められる公共構造物で使われています。
用途 | 事務所、集会所、図書館、物品販売業含む店舗、飲食店 |
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所在地 | 東京都港区五丁目36番4号 |
竣工年月 | 2021年11月 |
工期 | 2018年6月23日~2021年11月26日 |
構造・規模 | RC、S、PC造/地下1階、地上12階建(高さ58m/最高高さ67.03m) |
延べ面積 | 18,333.57㎡ |
設計 | 株式会社ア-ル・アイ・エ- |
発注 | 港区役所 |
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